ニャオニクスな日々

夫婦でポケカやっています

ポケカプレイヤーにMtGのイカれたカードを紹介する(パワーナイン編)

こちらの記事が非常に面白かったので、返歌というかリスペクト記事を書いてみたくなりました。

blog.livedoor.jp

この前、妻に「MtGのBlack Lotusって黒いドラゴンとかかと思ってた。花なんだね。強いの?」と言われまして。

MtGプレイヤーとしては一瞬「オォん!?」となったんですが、効果は知らないが存在は知ってる、という人からするとなぜあんな黒い蓮が100万円以上するのか、確かに意味分からないですよね。そこでBlack Lotusの効果をポケカに例えて話したところ意外に通じたので拡張版をやってみようと思います。題して「ポケカプレイヤーにMtGイカれたカードを紹介する(パワーナイン編)」です。

今回ご紹介するのはパワーナインと呼ばれる、MtGのごく初期に刷られて絶版となった強力過ぎる9枚のカードたちです。多くが「なんで刷った!?」と思われる効果を持っており、まとめて「パワーナイン」と呼ばれております。リアル「テストプレイなんてしてないよ」。冒頭のBlack Lotusはその筆頭です。

 

1 Black Lotus

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(日本語訳)
T, 生け贄に捧げる: 好きな色のマナ3点をマナプールに加える

 

ポケカでいうと?

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ポケモンのどうぐ
自分の番に1度使える。このカードをトラッシュする。その場合、この番、このカードをつけているポケモンがワザを使うのに必要なエネルギーは、すべてのタイプのエネルギー3つ分、少なくなる。

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#元がアーティファクトなので場に残るポケモンのどうぐにしましたが、グッズでもほぼ変わりません

 

なんと手張り以外に1ターン限定で3エネ出せる!!!

ピカゼクが2ターン目にタッグボルトGX打てる!!!

下手すると後手1に打てる!!!

アクジキングGXが2ターン目にグラトニーGX打てる!!!

ゲームが終わる!!!

……いいですねこの「ぼくがかんがえたさいきょうのポケモンカード」感。一切現実味がない。いっそ清々しいくらいの壊れっぷりです。ほんとになんでこんなの刷ったんだろう。

 

2-6 Moxシリーズ

例:Mox Ruby

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(日本語訳)
T: あなたのマナプールに赤マナ1点をくわえる
#他4色分は割愛

 

ポケカでいうと?

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ポケモンのどうぐ
このカードをつけているポケモンが使うワザに必要なエネルギーは、炎エネルギー1個分少なくなる(以下他タイプ割愛)

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なお便宜上この書き方にしていますが、本来の趣旨に沿うならば、無色エネでも減ります。

こちらはBlack Lotusと違い、1個分ですが恒常的に必要エネが減ります。条件の無いカウンターゲイン。

というかカウンターゲインどころか

基本エネの存在にすら疑義が付く

強さです。タイプによってはエネ0で動くデッキ組めますよね……

 

7 Time walk
元のテキスト

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(日本語訳)
このターンのあとに、追加の1ターンを得る

 

ポケカでいうと?

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鋼無 タイムレスGX (???)
この番が終わったら、もう1回自分の番を始める。[対戦中、自分はGXワザを1回しか使えない。]

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2ターン目に打てるタイムレスGXです

 

強。


オリジナルが追加ターンを得るだけの呪文なので打点設定が難しいのですが、仮に打点が低くても先2にゾロアやロコン倒して追加ターン貰えばかなりテンポ的に優位になります。ベンチが1体しかいないとゲームが終わるケースも多々あるでしょう。

なおこのカードはマナコストが2→5に増えた形でリメイクされています。偶然にも本来のタイムレスGXと同じコスト数です。

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8 Ancestral Recall

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(日本語訳)
対象のプレイヤー1人はカードを3枚引く

 

ポケカでいうと?

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グッズ
カードを3枚引く

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もともとドローカードが強力なポケカではオリジナルの強さを説明するのが難しいんですが、敢えて例えるなら

グッズ版のハウ

です。

デンジが3枚ドロー+雷エネサーチになります。

エクストラではコルニが3枚ドロー+闘ポケサーチになります。

何より旧裏マサキのパフォーマンスを凌駕します

 

強。強。

 

翻訳の根拠ですが、ほぼ同じ効果のカードが4倍のコストでリメイクされています。

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ポケカのトレーナーズにはコストの概念が無いものが多いのでこのコスト感の翻訳も難しいのですが、ハウは1ターンに1枚しか使えないのに対し、グッズなら1ターンに最大4枚使えます。1ターンに1枚という制約をコストと捉えた場合、調整後のカードと比べ同じコストでパフォーマンスに4倍差があるという点がMtG側と揃ったので、この形にしました。

 

9 Time Twister

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(日本語訳)

各プレイヤーは、自分の墓地と手札を自分のライブラリーに加えて切り直す。その後、カードを7枚引く。

 

ポケカでいうと?

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おや?

おやおや?

 

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手札のリフレッシュがない分、奥の手の方が効果は控えめですが、しかし……


MtGでこうした前例が20年前からあるのにクリーチャーズはなぜ奥の手なんかを……ゴニョゴニョ……

……ゴニョゴニョ……

……ゴニョ……

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終わりに

いかがでしたでしょうか。正直ゲームシステムが違うTCG同士を比べているので翻訳の適切さにはあまり自信がないんですが、MtGでぶっ壊れと言われてるカードがどんだけ頭おかしいかが伝わればそれで十分です。

なお余談ですが、ここで挙げたパワーナインの多くは適切なコストや効果に調整され、後にリメイクされています。例えば冒頭のBlack Lotusなどは効果が1/3=出るマナが3→1に減らされた上で「睡蓮の花びら」という明確にBlack Lotusを意識した形で登場しています(Lotus=蓮)。

 

ところが。

 

実はリメイクされたカードの多くが、それでもなおゲームバランスを崩すとして何らかの形で制限・禁止カードに指定される憂き目にあっています。理由は色々とあるのですが、パワーナインの多くが「1ターンに1度しか出来ないはずのこと(=ポケカでいうところのドローやエネ張り)を複数回出来るようにしてしまっている(しかも超低コストで)」ことがその要因かと思われます。どのTCGでもそうですが、全体ルールに定められている原則をモロに破るカードは強いです

 

では何故そんなカードが刷られたのかと言えば、黎明期のカードなため「開発側も含めて全世界のユーザーが初心者だった」ことが原因と言われています。まあ、やってみなきゃわかんないこともありますよね!

 

ちなみに記事タイトルに「パワーナイン編」と付けたのは、他のカードでもポケカに誰か面白く例えてくれないかな~という淡い期待感からです。最近のMtG詳しくないので、誰か!待ってます!!!