ニャオニクスな日々

夫婦でポケカやっています

ルガゾロ(ルガルガンゾロアーク)の変遷

新弾(SM4)が出てから10日近く経ちました。早いものでSM3+『ひかる伝説』からもう2ヶ月が過ぎています。SM3+の最大の目玉となったゾロアークGXは各所で活躍していますが、そのうち最大勢力であったルガルガンゾロアークは、この2ヶ月という短い間に大きく変化しています。

環境が変わるにあたり、前環境の支配者だったルガゾロとは何だったのかを、その変遷を追いながら考えてみます。

 

▼前提ールガルガンGX(夜)の概要

まず前段としてゾロアークの相方であるルガルガンを中心としたデッキの概要です。

 

・中打点テンポ破壊型のコントロールデッキ
→ブラッディアイで相手のエネのついたポケモンを倒し、盤面が整う前に勝ち切る
→基本的にメインアタッカーはルガルガン自身が担う

 

▼夜ルガルガンの課題

・打点の低さ(ハチマキ+ストロングで160)
・テンポロスのリスク(技が3エネ&特殊エネ依存)

 

ルガルガン系統のバリエーション

様々なバリエーションが生まれましたが、基本的に上記の課題2つを解消するためのカードが大半です。

○打点不足を補う

・エフェクトブイズ

→鍛冶屋、森、レックウザといったテンポ加速してくるデッキに対し、火力で競り勝つ必要があった

ライチュウ

→非GXで190まで出せる。またエネを引くためのシェイミとの相性も良い
レジロック

→1枚出すだけでテテフに届く(ハチマキ+ストロング込み)

 

○テンポロスを防ぐ

ライチュウ

→打点もさることながら、ニコタマ1つで殴れるためルガルガンが間に合わない場合の助けとなる。テテフGXも同様。
シェイミ

→毎ターンストロングなりニコタマなりを何処かに貼らないといけないため、ドローソースが必要だった
・エネくじ

→負け筋となるシェイミを出したくない場合こちら

・時のパズル、スペシャルチャージ

→ストロング、ニコタマを落とされた時のため

 

ルガルガンの栄華と凋落

デスローグで1度はHP200前後を食えるため、意外に対応範囲が広く、チャンピオンズリーグ2016の愛知大会(2017年5月)では猛威をふるいました。

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しかしこの愛知大会をピークにルガルガンデッキの勢力は衰えていきます。

バクガメスを主軸に据えたガメスボルケの台頭

→ハチマキ+スチームアップ1回で容易に落ちる

キュウコンジュナイパーの台頭

→210点を出しづらいルガルガンにとって、キュウコンの壁は結構高い

カプ・ブルルの台頭

ルガルガンの弱点を突くことができ、かつ炎弱点でない

もちろん、その後の千葉大会でも上位入賞はしているのですが、愛知大会ほどの勢いではありませんでした。更にその後1エネでワンパンしてくるグソクムシャGXや、高HP高火力のサーナイトGXなどが登場し、メインアタッカーを張ることが厳しくなります。

 

▼ひかる伝説発売直後:ルガゾロ初期(ルガルガンメイン・ゾロアークサブ)

そんな中今年の7月にSM3+で登場したゾロアークは、
・クリティカルだった210が出るようになった
・とりひきによってテンポロスの確率を下げられる

ということで、ルガルガンデッキの持つ2つの課題両方に刺さる素晴らしい相方でした。とはいえ、初期のルガゾロはあくまで愛知大会で上位に来た「ルガルガンライチュウ」のライチュウを置き換えたものに近かったようです。つまりあくまでメインはルガルガンであり、200前後の打点が必要なときに殴りに行くというサブ的存在でした。

実際、『ひかる伝説』発売直後にジムバトルで入賞したルガゾロはゾロアークGXラインが2-2です。今では3-3以上入っているのがほとんどのはずです。

 

▼横浜大会前:ルガゾロ中期(ルガルガンゾロアーク半々?)

ところがゾロアークの特性「とりひき」による安定感が知れ渡ると、むしろ「殴れるドロソ」としてゾロアークの比率が上がっていきます。

8月にはシェイミ+スカイフィールドで山を掘り進めながら序盤からゾロアークが210前後出せるによう盤面を整え、ルガルガンが場をかき乱すという形になっていきます。むしろゾロアークライン4、ルガルガンライン3という逆転も起きてきたのがこのころです。

 

▼横浜大会:ルガゾロ後期(ルガルガンゾロアーク半々?)

その後ゾロアークGX自体の増加を受けてマーシャドー搭載型の行進が台頭、また特殊エネ破壊が横行します。それに呼応するようにルガゾロ側も変化し、横浜大会2位となったとーしん選手のルガゾロは

・時のパズル採用

・ストロングを減らし基本闘エネの採用

アローラベトベトンの採用

と変わります。代わりにルガルガンGXの採用枚数は2枚と少なくなっており、主がゾロアークGXであることが分かります。

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▼今後:マッシブーンGXの登場

そして今月、新弾で「ジェットパンチ」を搭載したマッシブーンGXが登場しました。闘1エネで前後に30ずつ与えられるこのウルトラビーストは、ルガゾロが持つ課題をさらに埋めてくれる強力なカードです。

・後手でもテンポロスしない

ルガルガンゾロアークも進化ポケモンであるため、ルガゾロはどうしても後手が弱いデッキでした。マッシブーンGXにより、後手なら後手でジェットパンチでダメカンをばらまき始めるというスタートが切れます。

・スカイフィールドへの依存度が減る(≒ウソッキー下でも倒せるポケモンの幅が広がる)

→ジェットパンチでダメカンをばらまくことで、スカイフィールドがなかったりウソッキーでベンチを絞られた際もゾロアークGXが倒せるポケモンの範囲が広がります。ルガゾロにとってはより安定性を上げてくれるパーツと言えます。

「とりひき」と「ブラッディアイ」という2つの強力な特性により、高い精度で有利盤面を構築できるルガゾロは、何より安定性が高く、まだ暫くの間はメタの中心に居続けそうです。