ガメスボルケ一強時代の環境考察 ポケモンカード チャンピオンズリーグ2017 岡山~千葉大会
千葉大会1日目、2日目の上位デッキレシピが発表されましたね。愛知→岡山→千葉と短い期間で大きく環境が動いたので、いったん振り返ってみたいと思います。
▼愛知大会→岡山大会 ~テンポ破壊を超える展開力~
前回の記事で書いたとおり、愛知大会は「テンポ破壊」の時代でした。宮城大会で活躍したケンタロスダストダスやアローラキュウコンGXなど、中速の中~高打点デッキに対し、ルガルガンGXやニンフィアLOなどテンポ破壊型のデッキが押さえこむ構図になったのです。
これに対し、岡山大会でプレイヤーが出した答えは「エネ加速・高火力」でした。ポケモンカードに限らず、他のカードゲームでもテンポ破壊のデッキは存在します。そしてテンポ破壊への解答は一般的に「テンポ破壊側を上回る速度でこちらのリソースを展開する」ことです。事実、岡山大会で台頭したのは以下の2つでした。
・エネルギーを大量に積み、かつバクガメスGXを前面に出すことで火力を上げたボルケガメス
・ピーピーマックスやクワガノンを投入し、高火力を目指したブルル系
いずれもエネ加速と高火力により、特にニンフィアLOに対する耐性を持ったのです。またブルル系は言わずもがな、タイプ相性上ルガルガンに強く、また弱点がないためボルケにも台頭の勝負ができます。
▼岡山大会→千葉大会 ~バクガメスvs.その他~
岡山大会で活躍したデッキのうち、ガメスボルケは瞬く間に広がりました。エネ破壊に強く火力もあり、動きもシンプルなため、千葉大会でも会場を席巻しました。結果、一日目はA・Bともにガメスボルケが、2日目もA優勝はガメスボルケ、Bでも3位・4位はガメスボルケと、まさに赤い旋風を巻き起こしたのです。1日目・2日目のA・Bベスト8計32デッキのうち、実に1/4がガメスボルケでした。
またもう一つ興味深い変化があります。ルガルガンです。愛知大会では上位にいたものの、ブルルの台頭で岡山では鳴りを潜めたルガルガンですが、千葉大会では1日目・2日目のA・Bベスト8に計6デッキ食い込みました。ただしその多くは多かれ少なかれエフェクトブイズを搭載しています。弱点であるジュナイパーやラランテスを倒すブースター入りのものはもともと存在しましたが、千葉では特にシャワーズの搭載が目立ちました。象徴とも言えるのが2日目Bのルガルガンライチュウです。これは愛知大会で入賞したルガルガンライチュウとほぼ同じデッキですが、1枚差しだったブースターがシャワーズに変わっています。
また他にもビークイン・ゾロアークなど非EX/GXの1進化ポケモンを搭載しつつエフェクトブイズで弱点を着くデッキが千葉では目立ちました。元々存在していたアーキタイプですが、バクガメスがトラップシェル+ちからのハチマキ+スチームアップ1で倒せないHP100前後の非EX/GXに対しテンポを取りづらいため、採用したプレイヤーが多かったと思われます。
このように、千葉大会はそれまでのテンポ破壊vs.テンポ展開という枠を越え、ガメスボルケvs.その他というガメスボルケ一強時代の様相を呈したのです。
▼今後の展望
上にまとめたように、基本的にメタの中心はガメスボルケです。ただし完璧な対抗馬はいないように思えます。なぜなら「ガメスボルケに優位かつ他のデッキも見れる」アーキタイプが非常に少ないためです。
まず弱点活用系は速度が足りません。エフェクトブイズはシャワーズが立つまでにややラグがありますし、ゲッコウガやキュウコンは1ターンでガメスを倒せる状態になるまで時間がかかります。そのため完全な優位とは言いがたいと思われます。またこれらは火力の問題からニンフィアLOに寝首をかかれる恐れがあります。
有力なのは白レックです。ただ苦手なデッキがかなりはっきりしているため、採用に二の足を踏むプレイヤーも多いと思われます。
もう一つはツインダークライです。火力は劣りますが、まわし搭載型のガメスボルケが少ないためこだわりハチマキを付ければEXの方でなんとかなります。またバトルコンプレッサーで山を圧縮するため、後半のNゲーに強く、デッドエンドGXを絡めて早めに展開すればそのまま押しきれる可能性があります。
そもそもガメスボルケが真っ正直なビートダウンデッキなため、圧倒的に有利なデッキが作りづらいのも事実です。基本的にはガメスボルケに対し一部の要素で勝てる(速さは勝てるが火力は勝てない、などなど)デッキがチューニングをかけながら対応していく、という形になりそうです。