ニャオニクスな日々

夫婦でポケカやっています

ポケモンカードはインフレしているのか~カードスペックからゲームデザインを考える~

1. はじめに

最近こんな声を聞きます。「ポケモンカードがインフレしている」と。

確かにタッグボルト発売以降、環境はまたしても巨大なGX同士が殴り合う世界へと揺り戻しが起きています。HP240がエネ加速付き3エネ150で殴ってきたり、はたまたHP300が5エネ180で殴ってきたり。

とはいえワザのダメージが大きくなったからと言って単純にそれをインフレと呼べるのか。ワザのダメージが2倍になってもHPが2倍になったらそれはインフレではないのでは?(厳密な意味でのインフレはいったん忘れて下さい)

そして何より、TCGにおいてカードのインフレ化はメーカーにとって諸刃の剣です。新しいカードを強くすれば短期的な売り上げは上がるものの、既存プレイヤーの資産=過去のカードの価値を毀損します。もしポケカがインフレしているとすれば、そこにはリスクを負ってでも実現したい何らかゲームデザイン上の狙いがあるはずです。

そんなことを考えて、1年ほど前、なにものかさん主催のポケカプレゼンオフでこんなプレゼンをしてきました。

旧裏第1弾からサンムーンシリーズの前半まで、ポケモンカードにおけるポケモンの技とHP、必要エネルギーの平均値を取り、本当にポケモンカードがインフレしているのかを調べています。またそれだけでなく、数字の変化を通じて、ポケモンカードがどのようなカードゲームを目指しているのか、ゲームデザイン面での考察にまで踏み込んでいます。

今回はこちらの資料に加え、タッグボルトで登場したTAG TEAM GXについても少しだけ考察をしてみたいと思います。

以下、プレゼン資料を読むのが面倒!という方向けに、資料の要旨をまとめています。読んだ方やプレゼンオフ参加されている方は飛ばして下さい。

※基本的にプレゼン時=2017年11月時点での情報になっており、サンムーンシリーズに関する記述は1年古いものとなっています 

2-1. インフレについて
結論から書くと、ポケカはインフレしています。プレゼンでは、直接比較可能な旧裏第1弾(1996年)と20thアニバーサリーパック(2016年)の共通登場ポケモンを比較しています。例えばリザードンに代表される2進化ポケモンは、1エネあたりのワザの効率が20年でほぼ2倍改善しています。

では何をもってインフレとしているのか。以下資料で説明しているインフレの定義と使っている指標です。

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クロックはポケカだと耳馴染みの無い言葉です。例えばHP160の相手ポケモンに、自分のポケモンが80ダメージ与えられる時、相手をきぜつさせるまでにワザを使う回数は160÷80=2、クロック2となります。仮にポケカのワザの威力が昔より上がっていても、HPも同程度に上がっていればこのクロックの数字は変わりません。クロックが変わらなければ表面上の数字が変わっただけで、ゲームとしては何ら変化が起きていないと考えられます。

また仮にクロックが昔と比べて半分になっていた、つまりHPの上昇に比してワザのダメージが2倍上がっていたとしても、ワザに必要なエネルギーも2倍になっていたら、相手ポケモンを倒すのに必要な時間は結局変わりません(エネ加速等の話はいったん抜きにします)。

以下はHP160のポケモンに対し、2エネ80のワザと4エネ160のワザを使った場合のC/Eです。

160÷(80÷2)=4
160 ÷(160÷4)=4
どちらも同じになります。見た目のクロックが違っても、エネルギー効率が変わらない場合、ゲームとしては本質的な変化が起きていないと考えられます(実際には2エネ80の方が早く倒せるのですが、今回は簡略化のためにこういう形にします)

以下が旧裏第1弾と20thアニバーサリーにおけるC/Eの比較です。

f:id:klov:20181218202610j:plain冒頭に書いた通り、ポケモンカードは20年間でサイドカードを取るテンポ=ゲームのテンポが1.5倍~2倍程度高速化したと言えます。言い換えれば、「より少ないエネで、より高いダメージを出せる」ように進化しています。これは明確にインフレと言えるでしょう。

2-2. ゲームデザインの変化について

一方で別の発見もありました。非最終進化系のポケモンはむしろ弱体化の傾向が見えたのです。例えばコラッタヒトデマンは、明らかに旧裏第1弾の方がワザの効率面で優れています。全体で見ても、上記のスライドを見ると、非最終進化系のたねポケモンは若干C/Eが悪化しています。他がそれこそ2倍改善しているのに比べると、明らかに全体のトレンドに反しています。

この事実からは、旧裏第1弾の時点では非最終進化系のポケモンも戦うことを想定してデザインされていたことが推測できます。逆に、現代のポケモンカードは非最終進化系のたねが相対的に弱体化しており、最終進化系で戦うことを想定したデザインと言えます。

まとめると、旧裏第1弾と20thアニバーサリーの比較からは、以下のようなゲームデザイン上の変化が見てとれます。

  1. より速いテンポでサイドカードを取れる
  2. より最終進化ポケモンが活躍する

ではこの2つをゴールとした時、20年の間にポケカはどのように発展してきたのでしょうか。

ゲームデザインの観点からは、以下の3つの方向性が考えられます。

a. 最終進化系を直接場に出せるようにする(2の実現)
b. 最終進化系を強くする(=インフレ:1と2の実現)
c. 最終進化系を揃いやすくする(=サーチの強化:2の実現)

結論から書くと、この3つの方向性は2008年のDPtシリーズまでに実現されています。以下のスライド資料がこの説明に該当します。

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要は10年前に1度ポケカはある意味で「完成」しているのです。そして1度完成されたゲームデザインを2010年のBWシリーズでリセットし、やり直している。つまり今のポケカは2サイクル目にある、そう考えることができます。これをプレゼンの中ではポケカの2サイクル理論と呼んでいます。

まずaは1999年発売のひかる伝説、2001年のVSシリーズにおいて早くも実現しています。ひかるギャラドスなどの一部のひかるポケモンや、マツバのゲンガーなどリーダーのポケモンがそれです。

bはADVシリーズからPCGシリーズにかけてのexポケモン、DP以降のLV.Xポケモンにおいて実現されています。

cはPCG~DPtにおける強力なサーチカードの存在が挙げられます(ハマナのリサーチ(今のポケモンだいすきクラブの上位互換)やゴージャスボールなど)

また詳細は資料を見て頂きたいのですが、exポケモンやLV.XにおいてC/Eはインフレの傾向を見せており、速いテンポでサイドカードを取る方向性もきちんと実現されています。

ではなぜ10年前に「より速いテンポでサイドカードを取る」「より最終進化系が活躍する」というゴールにたどり着いたはずのポケカを1度BWでリセットしたのでしょうか。

それはゲームの複雑性が上がったからだと考えられます。このプレゼンオフの主催でありポケカ会きっての生き字引であるなにものかさんはDPtごろの環境についてこう書いています。

ドローやサーチのギミックにトラッシュを要求しないものが揃っているお陰で、緻密な構築と緻密なプレイングが要求される。
恐らく史上最高に複雑かつ高度化した玄人向きのゲーム。
いっそ素人にはわからなくてもいい。
できればわかってほしい。
めっちゃ楽しい。

出典:ニモノート

他にもこの時期にプレイしていた方に話を聞くと、似たようなエピソードが帰ってきます。ゲームとしては完成されている一方、うまく盤面を作るにはある程度の習熟が必要となる。ビギナーにとってやや参入しづらいゲームになっていたのかもしれません。

実際、BWからサンムーンにかけては、a(最終進化を直接場に出せるようにする)がポケモンEXで実現され、b(最終進化の強化)がGXやBreak進化でなされます。当然、C/Eはインフレしており、サイドを取る速さが旧裏第1弾の2倍以上になっています。一方で(プレゼン当時=2017年11月時点では)サンムーンシリーズのトレーナーズは貧弱で、以前ほどピンポイントでカードを山からサーチして臨機応変に盤面を構築するゲームではなくなりました。

プレゼンの中では、いったん以下のように結論づけています。

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3. TAG TEAM GXとこれから

ちょうどプレゼンオフから1年が経ち、色々と変化が起きています。マグカルゴジラーチポケモン通信、マサキの解析など比較的強力なサーチカードが出てきており、「ゲームが再度複雑化するのを避けるため強いサーチカードはしばらく出ないのでは」とした1年前の予測はやや外れ始めています。一方でTAG TEAM GXは動き出すと手がつけられないスペックとなっており、特に直近で使用率が最も高いであろうピカチュウゼクロムGXは、強化されつつあった非GXポケモンたちをあざ笑うかのようなパワーを持っています。これは「強いたねポケモンを出して殴る」という第2サイクルの初期=BWのコンセプトに戻ったかのようにも見えます

この一見すると相反する2つのトレンドが何を意味するのかは、僕自身もまだ考えが整理できていません。直近で使われているデッキを見ると、サーチカードを駆使して相手に併せた盤面を作っていくのはサンダージラーチ系統、ルガゾロ系統です。環境にいるアーキタイプの数からすると少数派ですが、いずれも様々なシーンで結果を残してることを見ると、その存在感は大きなものがあります。一方でズガドーンアーゴヨンやレックガノンフシギバナセレビィなどメインアタッカーがひたすら前で突っ張る典型的なビートダウン系のデッキも数多く存在します。これらの事実は、もしかすると「複雑な動きのデッキとシンプルな動きのデッキの共存」という、実に理想的な環境の萌芽なのかもしれません。

もちろんまだTAG TEAM GX環境は始まったばかりで、今後どのような変化が起きるかわかりません。ユーザーの拡大に商品や大会の供給が追いついていない問題もあります。が、このようにして20年という長いスパンで見ると、実はポケモンカードは今一番面白い状況にあるのではないか。そうした希望も少し見えてくる気がしています。ぜひこれが「単なる希望的観測ではなかった!」と言える2019年が来ることを望んでいます。

シャワーズグレイシアジラーチについて(新潟CL使用)(妻が)

今回は自分のデッキではなく新潟CLで妻が使用したデッキについて書こうと思います。

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シャワーズグレイシアジラーチ

◯背景

このデッキを組んだ背景ですが、

シャワーズGXを並べれば今の2パン環境に刺さりそう

シャワーズの打点130が強い

・何より妻がシャワーズ大好き(デンリュウと同じくらい)

・タッグボルトで大きく環境が変わるため新潟CLで使わないと使う機会がなさそう

ということで急遽新潟CL一週間前に組みました。サンダース入りのサンダージラーチが増えることを念頭に、並行して増えているキュウコンジュナイパーなどにも強く出れると考えてグレイシアを追加。ダンベルを多投し「HP250がひたすら60-90回復しながら130を連打していく」コンセプトになりました。

◯構築について

シャワーズはヌオーやアーゴヨンと合わせる型もあるのですが、サンダージラーチ系統に速攻でウパーやべべノムを狩られると非常に厳しくなるため、「サンダージラーチ対抗」というコンセプトに合わなくなると判断して回避。代わりにジラーチやマサキの解析を加えて、パッチ1本で盤面を作る構築にしました。かなりピーキーな構築になる代わりに、2ターン目から殴れる可能性が高く、テンポロスが発生しづらいところが強みです。

◯マッチ別相性の想定と実際

事前の想定では

有利:サンダージラーチ系統・ズガドーンアーゴヨンキュウコンジュナイパージュナイパーゾロアーク

五分:ルガゾロ・マッシルガン

不利:サナキュウコンレックウザ系統・ダスト系統・草ナッシー・グソクムシャ系統

だったのですが、色々と練習をした結果、

・サンダージラーチ系統

→先2でサンダースGXが140出してくるとかなり辛い

ズガドーンアーゴヨン

→全部ワンパンできるから有利やろ!と思ったらビーストリングの引き次第で厳しい

とまあかなり想定と違ったのですが、時間がないため突っ張ることに笑

(そして僕も実はこのデッキを握るつもりだったのですが、25分で終わらせようとするとかなり練習量が必要だったことが発覚。妻のスパーリングに時間を割いてしまっていたため元々使っていたサンダースGXに変更しました)

◯結果

当日の様子は妻がブログに書いています。

lineblog.me

僕がサンダースGXサンダージラーチで1-3と惨敗している中、5-0を決めていてビビリ倒していました。なにせ構築がピーキーで、タイミングごとに必要札がかなりシビアに固定されています。妻の大好きシャワーズで0-3とかやらかしたらやったらめちゃ文句言われるだろうな……とかなりビクビクしていたのですが、なんとか楽しく終えられてよかったです。

◯今後

タッグボルトで環境の打点が上がる可能性があるため、今後は使う可能性は低いかもしれません。仮に使うとしたらスイレンは入れ替え対象かも……と妻の談。打つ余裕ないんですよねサポなので……。

しかし自分の反省としては最後にこれを握る踏ん切りが付かなった点ですね……いやでも僕が握ったときは全然回らなかっtいやなんでもないです。いやー、一瞬夢を見れてよかったです。

デッキレシピ:プリズムレック

シャトレックが話題ですが、今月上旬のシティリーグで妻に渡したレックをご紹介します。ガノン型でもゼラオラ型でもなく、◇ポケモンでエネ加速を行うのでプリズム(スター)型と仮称します。

 

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◯デッキの概要

要はカプ・コケコ◇およびラティアス◇でエネ加速を行うレックです。今年のJCSで三部門制覇を遂げたレックウザGXデッキが、いずれもピーピーマックスで加速するレックウザGX+ラティアス◇という形でした。ここでピーピーマックスによる加速期待値を「3枚くらい打てて2枚当たる」ぐらいのものだと強引に仮定すると、カプ・コケコ◇でそのまま置き換えができます。

またデンジュモクGXを入れることで、

・ユニットエネルギーやレインボーエネルギーが多いルガゾロやサンダージラーチに強くなる

・ビーストリングでエネを補充し中盤の打点不足を防ぐ

という動きができます。

◯デッキ選択の狙い

以上が構造的な話なのですが、環境的な話をすると、主に念頭に置いていたのは「サンダージラーチ」「マッシルガン」「ルガゾロ」あたりでした。マッシルガンやルガゾロをレックが蹂躙していったのは記憶に新しいですが、サンダージラーチにもレックは強いと考えていました。サンダージラーチは基本的に進化前たねを狩りながら立ってしまったGXは2パンするという動きです。翻せばたねGXの速攻に原理的には強くありません。ただしたねGXが基本的に「3-4エネ要求100点台後半の打点」なため、何らかのエネ加速手段が必要になります。多くの場合それが特性を持つ進化ポケモンのため(ウルネクのカラマネロズガドーンアーゴヨンアーゴヨン)、進化前たねがサンダーに狩られて優位に立てない……という構図です。

要はスタンドアローンで最序盤に動き出せるたねGXが居ればいいんでしょう……だったら……という理由でこのデッキに至りました。

◯結果

結論としては、このデッキは環境にあまり合っていませんでした。

理由1. アロベトやマニューラの増加

サンダージラーチ流行の煽りをくらい、アロベトやマニューラが増加していました。特にアロベトは早期に立つと致命的で、レックウザGXのしっぷうどとう、コケコ◇のせんじんのまい、いずれも防がれてほぼエネ加速ができなくなります。

理由2. サンダージラーチ以外の非GX主体デッキへの対応

確かに妻が出場したシティの「上位は」ルガゾロやマッシルガン、サンダージラーチがそれなりにいたものの、上位マッチに食い込む前にアロベトを踏んで下位マッチに飲み込まれた結果、様々な非GX主体のデッキと鉢合わせし負けました。サンダージラーチほど早くないものの、どのみちレックウザGXが前に出ないといけないデッキのため、非GXでレックウザGXをワンパンされると厳しいものがありました。 

ということで思った以上に進みが早かったのもありますが、結果として当時の環境にはアンマッチだったのが残念です。ただし回していて非常に楽しいデッキなので、僕自身もどこかで機会があれば使いたいと想います。

 

ダークオーダーまでの環境について

ほぼ自分用メモです。 

ゼラオラ/サンダー/ライコウについて

・現環境は意識すべき打点がばらついている

  ・70/130/190/210

・それぞれ進化前たね/たね非GX/たねGX/1進化GX

  ・ダークオーダーでサンダーが出たことにより、最序盤に進化前たねを狩りテンポを取る戦略が取りやすくなった

・CL東京に前後し、カラマネロアーゴヨン、ルガゾロなど進化前たねが並びがちなデッキが台頭

  ・ゼラオラサンダーはこうした環境にフィットしている

・相手のデッキやタイミング(序盤中盤終盤)ごとにアタッカーを使い分け、70~210の様々な打点を出し分けてテンポ良くサイドを取ることが出来る

  ・ルガゾロに対してはウソッキーでライオットビートの打点を110まで下げつつロストボルテージのライコウを採用することで1パンを回避する逃げ方が出来る 

◯ルガゾロについて

ゼラオラサンダーの影響もあり、環境の平均打点に下方圧力がかかっている。

・恒常的にGXをワンパンする打点がないルガゾロが有利な環境になりつつある

・非GXに対しては130を出しながらダンベル+アセロラループで逃げ切り、GXに対してはデスローグで1体は持って行きつつマニューラマッシブーンで上手くサイドレースを制する 

◯今後について

ウソッキーライコウマッシブーンGX、サンダーはゾロアークといった形で対応できるマッシブーンゾロアークはわりと強いかもしれない。

  ・超バレットやウルネクは気合でイカを狩る

  ・ウツギ博士のレクチャーのお陰でネストボール多用が減り、ゴミなだれの打点が伸びづらいこともマッシブーンにとって追い風

・小マッシやイベルタルを使いまわしつつ祠やハチマキで打点を上げる非GX主体のデッキなどもアリかもしれない。海外で言うSPAS(Singe Prize Atacker Shrine=非GXアタッカーと祠デッキ)的なアーキタイプ

ロストマーチを試してみた感想

備忘録です。新弾「超爆インパクト」のリストが出たのでロストマーチを試してました。以下レシピです。

【ver1.1】

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▼動かし方

◯1ターン目

・3種類のボール(ハイパー/ネット/ネスト)でハネッコを並べる

・リーリエでなるべく多くカードを引く

◯2ターン目~

・ウツギ博士のレクチャーでポポッコを複数枚持ってきて、ハネッコを進化

・特性「てんのはなみち」ですべてのポポッコワタッコ

・ルストミキサーやケララッパを混ぜつつ、以降殴る

とまあ非常にシンプルです。

◯キーカード

ネットボール:草エネ3枚で動けるのはこのカードのおかげ。2枚ハネッコ、2枚草エネ用みたいなイメージです。どのタイミングでも無駄にならないこのデッキのまさにキーカード。

・リーリエ:1ターン目に出来れば6-7枚引きたい。手札を消耗しがちなこのデッキの主ドロサポ。極論するとシロナは手札に来てしまったワタッコを戻す役。

ヤレユータン:ないと3ターン目以降リソースが切れて死にます。逆に言うと前が整わずにヤレユータンを倒される隙を作ると、ほぼ負けます。

・戒めの祠:これがないと2進化GXちょっとつらい。

・ウツギ博士のレクチャー:言わずもがな。たね以外も持ってこれるのはそういうことだったんですね、という。

 

▼動かした感想

◯ダメージ量について

7割程度の確率で2ターン目に7枚程度はロストゾーンにポケモンを送れます。そうなった場合、たいがいワタッコかネイティどちらかは殴れるので、相手の非GXないしはカプ・テテフGX(こだわりハチマキ込み)くらいは倒せます。

その後もきちんとドロサポにアクセス出来ればわりとすぐに200程度までは打点を上げられます。ハチマキと戒めの祠を合わせると、2進化GXも視野に入る打点です。

◯よるこうしんとの違い

よるのこうしんと比較されがちですが、要求される動きは結構違います。

・序盤の動きが違う

よるのこうしんはバトルコンプレッサーでよるのこうしん持ちをトラッシュに送りますが、ロストマーチはポポッコに進化させないと話が始まらないので、基本的に初手はハネッコを並べる形になります。従ってロストミキサーも当初は4枚積んでいましたがネストボールの枠を空けるため2枚に減らしました。

・リソース管理が違う

よるのこうしんはニコタマでしか基本的に殴れないので、ニコタマの管理が重要になります。一方でロストマーチは草エネ1枚で殴れるので、実はそこまでエネの管理は大変ではありません(ネットボールで草エネをサーチ出来るため、最低限の枚数積めばOKです)。ただし先述の通りポポッコに進化できないと何も出来ずに終わるため、ハネッコポポッコのサイド落ちが非常に辛いです。どちらかが2枚落ちた瞬間にわりと厳しい戦いを強いられます。ロストマーチの方がポケモンのリソース管理が大変な印象を受けました。 

◯ロストマーチの強み

端的に速さと火力です。祠やハチマキを合わせると2進化GXも十分射程に入る火力と、先2で170程度は出してくる速さは驚異的でした。今の環境が「非GX」→「たねGX」→「2進化GX」→「非GX」という3すくみになっている中、2進化GXのHPに対応した破壊力を持つ非GXデッキの到来は環境に大きな影響がありそうです。

◯ロストマーチの弱み

主要アタッカーのHPが低いため、1度に複数体のポケモンにダメージを与えるワザに弱いです。特にアローラキュウコンGX(フェアリー)に対しては非常に弱く、はくぎんのかぜを2回打たれると基本的に勝てません。ひかるボルケニオンなども辛いです。後者はさておき、アローラキュウコンGXは現環境に多く、かつ一応殴れるような形になっている事が多いため、環境的にやや逆風の向きもあります。

あとこれはよるのこうしんと一緒ですが、1ターンでも殴れないターンが発生するとリソースが切れたりヤレユータンを倒されたりしてテンポ負けします。

 

▼非採用カードについて

マーシャドーGX

時間の関係上まだ試していないというだけで、有用な気はします。特に前述のアローラキュウコンGXで盤面が崩壊しないこと、トラッシュに落ちたネイティが活きること、ゼラオラに対して強く出れることなどメリットはあります。ただしどのカードを抜くのかという問題はありますが……

マーシャドー

2ターン目に是が非でもウツギ博士のレクチャーを打ちたいこと、アローラキュウコンGXが重い関係上、アローラロコンのみちしるべを妨害したいことなどを踏まえると、有用な気がします。これも枠を空けられれば試してみたい一枚です。

イトマル

草エネの管理が難しく、1枚も無駄にできないため、エネも巻き込んでロストに行くイトマルは不採用としました。

 

▼対ロストマーチ対策

よるのこうしんと異なり、オドリドリなどトラッシュ参照のカードでは対策になりません。ロストゾーンをいじれるカードがない現在、根本解決は難しいので、アローラキュウコンGX等でサイドを2枚取る動きをしてサイドレースで離されないようにすることが重要そうです。ただしマッシブーンGXはネイティに弱点をとられること、ワタッコラインが闘抵抗なため厳しいでしょう。

 

▼まとめ

・2進化GXも射程に入る火力とアタッカーの立つ速さは非常に魅力的

・環境で暴れるかどうかはアローラキュウコンGXが殴るデッキの比率によりそう。アロキュウが多いとちょっと厳しい。

・安く作れるためカード資産が多くない方にもオススメ(新弾が手に入れば……)

・何より回していて楽しい! 

・悪堕ちしたポポッコの顔がヤバイ! ロストゾーンになにがあるんだ!!

そんな感じです。9月の大型大会に向けて考慮しないといけない要素が増えたのは大変やら楽しいやら。

「交換」でより楽しめるフェアリーライズシールド戦

 アローラ!!フェアリーライズ、売れてるようですが手に入りましたでしょうか。来週に迫ったニャオニクス杯はシールド戦となります。今回は特殊ルールを採用し、自分でデッキを組んだ後、パートナーとカードの一部を「交換」出来るシステムを用意しました。

そしてシールド戦で利用するフェアリーライズは、細かいシナジーがたくさん詰まったエキスパンションとなっており、「交換」システムがあるとより楽しめるカードプールとなっております。そこで今回はフェアリーライズの各種シナジーをご紹介します。ニャオニクス杯に参加されない方も是非フェアリーライズのシールド戦を試してみて下さい!  

デスカーンギラティナ

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 ソウルジャグリングでギラティナをトラッシュし、「やぶれたとびら」でベンチに戻しつつ相手のベンチにダメカンをばらまく。交換でギラティナを集められると非常に強いです。

シャンデラ+のろう系

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ダメカンをばらまく「のろう」「のろいの~」系のワザですが、フェアリーライズの超ポケモンはなんと10体中6体が持っています。これらを利用しシャンデラの「いたみのらせん」のダメージを上げることができます。 

ミミッキュGX+ギラティナ

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ギラティナのやぶれたとびらでダメカンをばら撒きつつ、ミミッキュGXの「ぽかぽかフォール」で大ダメージを狙います。冒頭に紹介したデスカーンがいるとギラティナをトラッシュに送りやすくなります。 

メロエッタ+プリン

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自分の場にいる「うたう」を持つポケモンの数だけコインを投げ、表の数×10を相手ポケモンにばらまく「ミラクルハーモニー」。交換で「うたう」持ちを増やせると強くなります。 

ミミッキュGX+アローラキュウコンGX

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アローラキュウコンGXの「はくぎんのかぜ」でベンチに30ダメージをばら撒き、ぽかぽかフォールのダメージを上げていきます。ギラティナなどがいるとより強力です。

カプ・レヒレ+マツリカ

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(後攻の場合)「手張りマツリカドリームアウェイコイン表タネ切れですね対戦ありがとうございました!」

プクリン+各種チャーム

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チャームが付いていると3エネ140となるプクリンの「デコレートビンタ」。今回のシールド戦では3つのチャームのうち超しか実戦には役立ちませんが、プクリンがいると話は別です。またアローラキュウコンGXがいるとフェアリーチャームを集めやすくなります。

モジャンボシェイミ

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シェイミモジャンボを回復すると、なぜかモジャンボの打点が130も上がります。もちろんシェイミではなく「ライフフォレスト」でもOK。超タイプデッキを使う場合、イージーモジャンボにダメカンを乗せると後悔することになるかもしれません。

ビークインテッカニンヌケニン

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ビークインはベンチを草ポケモンで埋める必要があり、「場に出た時」「進化した時」使用出来る特性と相性がいいです。テッカニンの「ぬぎのこし」でヌケニンをベンチに呼び、「いのちのうつわ」でビークインに。1エネ120を出しつつ倒されてもサイドを取られないゾンビークインの誕生です。

キモリジュプトルジュカインGX

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普通の進化ラインですが、キモリの「ともだちをさがす」でジュプトルをサーチ、ジュプトルの「たいようのめぐみ」でジュカインをサーチ……と単独でジュカインGXにまでなれる脅威の安定性能。ジュカインGXはHPが高く回復機能もあるため、一度完成するとシールド戦では手に負えなくなる可能性があります。バトル場のキモリは積極的に倒しましょう。

いかがでしたでしょうか。草はジュカインGXを中心に、ビークイン、テッカ+ヌケニンモジャンボシェイミと脇を固めるポケモンが優秀なため、ジュカインGXを引ければ是非単色で攻めたいところ。一方でフェアリーと超は互いにシナジーのあるカードも多く、2色デッキが上手く組めると強そうです。草単vs.フェアリー超という構図を頭に入れつつ、ジュカインGX対策は怠らずに。

イベントの参加フォームにエントリー上限数を設定する方法(Google フォーム)

今回のエントリは一ミリもポケカの話が出て来ません。需要があるのか分かりませんがほぼ自分用の備忘録です。

イベント開催者の方こんなことありませんか。

Google のアンケートフォームで参加申請用のエントリーフォーム作ったりする

・でも当然定員がある

・寝てる間とか仕事中にうっかり定員を超えたエントリーをされてしまうと、「エントリーできた」と思ってる人にあとから連絡するの忍びない

・参加者側もそれを分かっているのでエントリー後に「エントリー完了しました」と表示させてもほんとに自分が通ってるのか不安

→制限人数いっぱいエントリーが来たらそれ以降は自動でフォームを閉じる機能が欲しい!!!!

→探したらあった!!!

→でも微妙に情報が足りてない!!!かゆいところに手が届かない!

→ので微妙に実際やってみた結果を踏まえて色々補足してまとめてみました!!!

ニャオニクス杯シールド戦のエントリーで試してるので、多分、大丈夫。

 

1. アンケートフォームのスクリプトエディタを開く

右上のココからこう

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2. スクリプトエディタに以下のコードを突っ込む

1000と書いてあるところは適宜、制限したい人数のMaxを入れて下さい

 

 

function endFormCheck() {
var LIMIT_COUNT = 10000; //ここでカウント上限を設定

var form = FormApp.getActiveForm();
if (form.getResponses().length >= LIMIT_COUNT) {
form.setAcceptingResponses(false);
}

}

 

※参考:Googleフォームで回答数を制限する方法 | Yuka Life

 

3. デバッグする

スクリプトエディタの上メニューから「実行」→「関数をデバッグ」→「endFormCheck」をクリック

エラーが出なければ次へ

 

4. トリガーを設定する

同、スクリプトエディタの上メニューから「編集」→「すべてのトリガー」を選び、トリガーを下記の状態に設定して「保存」。その後ctrl+Sでスクリプト自体を保存(未保存の場合名前を付けることになる)

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5. 上限行った後のごめんね文言を設定する

「回答時に上限に達していた場合」のお断り文言を設定する。

アンケートフォームの編集画面に戻り、「回答」タブをクリック、その後「回答をうけつけていません」の状態にして下に出てくるテキストを好きなお断り文言に編集する。

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以上。なお実際にやってみて普通に機能したものの、ご利用は自己責任でお願いします。